放射線の歴史  中性子の発見


 キュリー夫人の娘夫妻イレーヌとジョリオは、アルファ線をベリリウムという金属に当てると透過力の強い新しい放射線が出ることを発見していました。
 1932年、イギリスのチャドウィックは、この透過力の強い放射線をいろいろな物質に衝突させると陽子がはじき出されることを確認し、この放射線が陽子とほぼ同じ質量をもち電荷をもたない中性の粒子「中性子」であることを、実証しました。


原子構造の解明

 ラザフォードは、アルファ線を金属に当てる実験によって、原子のほとんどの質量は中心にある小さな領域(原子核)に集中していることを明らかにしました。
 チャドウィックの中性子発見によって、原子核は陽子と中性子から構成されていることが明らかになりました。
 さらに日本の湯川秀樹は、原子核の中で陽子と中性子を結び付けている粒子「中間子」の存在を、1935年に予言しました。後にそれが実証され、日本人ではじめてのノーベル賞受賞者となりました。

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