放射線は、人に当たった場合、体の中の分子に衝突して電子を追い出す(電離)ことによって、分子にエネルギーを与え、化学変化を起こします。

 人体1kg当たりに含まれる分子に与えられたエネルギー、すなわち人体1kgに吸収された放射線エネルギーを、吸収線量といいます。その単位がグレイです。
 1グレイは、人体1kgあたりに吸収された放射線のエネルギーが1ジュールであることを表します。

1グレイ = 1ジュール/kg

 熱による吸収エネルギーは、分子の熱振動によって周辺の分子に広がり暖めます。
 一方、放射線による吸収エネルギーは、分子の電離であるため、一部の分子にのみ高いエネルギーが与えられ、化学変化を起こします。


J(ジュール)とcal(カロリー)のお話
一般的に耳にするのはおそらくcal(カロリー)です。そもそも、このカロリーとは『1gの水を1℃上昇させるために必要なエネルギーである』と、理科の授業で教わりました。では、ジュールはどうでしょう?ジュールもカロリーと同様でエネルギーを表す単位として用いられていますが、普段の生活において耳にすることは滅多にありません。
食品などの表記でも一般的に使用されている単位はカロリーです。このような用途でのカロリーは、多くの国で熱量を表す標準単位として広く用いられ、計量法改正でも「用途を限定する非SI単位」と定義されています。今後は政策的にSI単位であるジュールに置き換えられていくことで、次第にジュールを耳にすることも多くなっていくことでしょう。
単位の換算は、1cal ≒ 4.2J、1J ≒ 0.24cal あたりが使用されています。
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