右図ではマウスを用いた移植の様子が示されています。移植に際し、レシピエント(患者)とドナー(骨髄提供者)のそれぞれの骨髄の型を表わす一群の遺伝子(図ではH-2と表示されています)を合わせる必要があります。正常なマウスでは、この違いを認識することによって外来からの異物の進入(病原体)から自分の身を守っているのです。そして、これを合わせないと移植された骨髄細胞中の多能性幹細胞から産みだされた血液細胞(おもに白血球)はレシピエントを異物として認識し、これを攻撃してしまい、強い拒絶反応が起き、移植を受けたマウスは死亡します。
骨髄移植を受けたマウスの脾臓
マウスの血液細胞は骨髄と脾臓で造られるため、移植後脾臓を観察することで移植の正否がわかります。
左が骨髄移植を行わなかったマウスの脾臓
右が行ったもの
右の脾臓では移植された骨髄細胞が定着し、表面にコロニーと呼ばれる丸い塊がみられます。それに対し左ではコロニーは全くみられません。
|