イメージングプレート(ImagingPlate)

ウランガラス

測定時間:18時間

暗闇の中のウランガラスブラックライト(紫外線)を当てた場合

ウランガラスは、着色剤として人体に影響を及ぼさない程度の微量のウラン化合物(ジウラン酸ソーダ)を混ぜたガラスです。
蛍光作用を持つウランガラスに、ブラックライト(紫外線)を当てると黄緑色に美しく輝き、幻想的な表情を見せます。この黄緑色の光は、紫外線のエネルギーを吸収し、エネルギーの高い状態に励起されたウラン原子が、元の状態(基底状態)に戻るときに発する光です。

放射性物質であるウランを含むウランガラスを、イメージングプレートに置き、18時間露光しました。やはり、ウランガラスの形状に放射線の分布が見受けられます。

イメージングプレートと
 ウランガラスの様子
18時間の露光で得られた
 放射線強度分布

ウランガラスは、1830年ごろからチェコ・ボヘミア地方で作り出され、その後、ヨーロッパやアメリカで、花瓶や食器などのガラス製品として利用されてきました。日本でも、1900年ごろに伝わり、1920〜30年代にかけて様々な製品が大量に製造されました。

しかしながら、現在では、アメリカなどで僅かな量が生産されるに過ぎません。ウラン以外の着色剤の利用と、原子力エネルギーの資源利用としての価値(価格)の上昇が原因です。