新着情報

成果報告会、環境研学習会、施設公開、イベントの開催・出展等に関する新着情報です。

2019年度

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第189回環境研セミナーを開催しました(11月7日)

 鹿児島大学水産学部の小山次朗名誉教授をお迎えし、「水生生物における環境汚染物質の濃縮と生物影響」というタイトルでご講演頂きました。

 ご講演では、水中の汚染物質の濃度推移をモニタリングするため、沿岸域についてはMussel watch(二枚貝であるイガイ類)、沖合域についてはSquid watch(アオリイカ)を対象として行われている海洋バイオモニタリングについて紹介がありました。また、巻貝であるイボニシを用いてフィールド移植実験をした結果、かつて船底塗料や漁網防汚材に使用されていた有機スズ化合物の食物網経由での移行が示唆されたこと、実験室内における手法の例として、石油成分のひとつである多環芳香族炭化水素類のうちニトロ基の付加したニトロアレーンをティラピア(アフリカ原産の魚類)に対してばく露した結果、遺伝毒性を引き起こし、赤血球の小核及び核異常等の生物影響が誘発されたことについて紹介がありました。

 近年では、生物中の化学物質濃度だけではなく、それに伴って引き起こされる様々な生物影響がエンドポイント(毒性等の観察項目)とされており、今後は体内で起こる生物学的事象も併せて調べていくことが重要になると述べられ、講演を締めくくられました。


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