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ヒラメを用いたヨウ素125(125I)摂餌実験に関する論文掲載

 Journal of Environmental Radioactivityに当所の環境影響研究部 今井研究員の論文が掲載されました。掲載概要は以下の通りです。


「ヒラメにおける125I含有餌料投与後の短期的代謝」

 六ヶ所村に建設が進められている使用済み核燃料の再処理施設の稼働に伴い、放射性ヨウ素が海洋に排出されます。一部の海産生物についてはヨウ素を濃縮することが知られていますが、海産魚に関する報告は少ないのが現状です。そこで、青森県で漁獲量が多いヒラメを対象とし、餌からヒラメ生体への移行に関するデータを取得するため、放射性ヨウ素のひとつである125Iをトレーサーとして摂餌実験を行った結果を報告しました。

 投与する餌として125Iを蓄積させたメダカを用い、ヒラメに 1日 1回、最大 6回摂餌させました。また、最大投与群の一部に関しては、無給餌のまま飼育を継続し、体内からの排泄についても観察しました。その結果、ヒラメの各臓器における放射能分布が明らかになりました。また、得られた実験データに基づき、ヒラメ全身の放射能を推定する 1コンパートメントモデルを作成した結果、餌からヒラメへの125Iの短期的挙動を概ね推定できることが示唆されました。さらに、体内に取り込まれた125Iの生物学的半減期を算出した結果、2.9日と比較的速やかであることが明らかになりました。


掲載論文

Shoko Imai, Takashi Tani, Yoshio Ishikawa, Yasuhiro Tako, Yuichi Takaku, Shun'ichi Hisamatsu. Short-term metabolism of biologically incorporated 125I ingested by olive flounder (Paralichthys olivaceus)
Journal of Environmental Radioactivity. (2020) DOI: 10.1016/j.jenvrad.2020.106161


関連ページ

ヨウ素   (外部:排出放射性物質影響調査HP)

放射性同位体(外部:排出放射性物質影響調査HP)

トレーサー (外部:排出放射性物質影響調査HP)


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