新着情報

成果報告会、環境研学習会、施設公開、イベントの開催・出展等に関する新着情報です。

2020年度

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第193回環境研セミナーを開催しました(10月6日)

 東京大学 大気海洋研究所の川幡穂高教授をお招きして、第193回環境研セミナーを開催しました。川幡先生のご専門は、地質学及び地球化学で、特に古気候、未来環境、熱水鉱床など多岐にわたる分野で精力的に研究をされています。また、日本地球惑星科学連合会および日本地球化学会などの会長を歴任され、学会においてもご活躍されています。

 本セミナーでは、青森縄文人の暮らしぶりや縄文期の気候変動についてご講演いただきました。縄文人の寿命は30歳程度だったにもかかわらず、食料の主なタンパク質を魚介類、獣肉および植物などからバランスよく摂取しており、現代人とかわらない豊かな食事をしていたこと。なかでも青森の三内丸山遺跡から栄養価の高いクリの半栽培の痕跡が認められており、青森縄文人の繁栄に大きく寄与したこと。また、陸奥湾などの堆積物中のハプト藻という植物プランクトン中のアルケノン(有機化合物)を指標として過去の気候変動を推定すると、約4200年前に平均気温が平年より約2℃の低下がみられ、これによってクリやトチの実などが不作となり、青森縄文人の衰退に繋がったことを興味深く、ユーモアを交えてご講演頂きました。

 最後に、現在、「北海道・北東北の縄文遺跡群の2021年の世界遺産登録」を目指しているが、これを機に、貴重な縄文遺跡および土器を後世まで大事に守っていって欲しいとして話を終えられました。


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