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環境試料の成分解析に関する論文掲載

 Chemistry Lettersに当所の環境影響研究部 佐藤研究員の論文が掲載されました。掲載概要は以下の通りです。


「段階的昇温による強熱減量法を用いた有機分子(単糖、アミノ酸及び脂肪酸)の特徴付け」

 強熱減量法は試料を加熱し重量の減少率から成分解析を行う方法で、環境試料の解析に広く用いられる手法ですが、有機分子レベルの知見はあまりありませんでした。

 本研究では3種類の生体有機分子(単糖、アミノ酸及び脂肪酸)を用いて、それぞれの強熱減量法に対する応答性を段階的昇温を用いた実験的解析を行いました。

 その結果、単糖及びアミノ酸は同じような応答性を示し、脂肪酸はそれらよりも低温域で消失するという特異的な傾向が確認されました。また、環境試料において強熱減量法の温度と脂質含量の関係を調査したところ、脂質含量に応じて低温域で消失量が大きくなる傾向が確認されました。脂質の主成分が脂肪酸であることを勘案すると、環境試料において脂質含量に応じて強熱減量が増加したことは、3種の有機分子より得られた実験結果を支持するものであると考えられます。

 本研究で得られた知見は、強熱減量法による有機物の詳細な解析に寄与することが期待されます。

概要図

掲載論文

Yuhi Satoh, Shigeki Wada. Characterization of organic biomolecules (monosaccharide, fatty acid, and amino acid) by losses on ignition under stepwise increases in temperature. (2021)
DOI: 10.1246/cl.200914


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