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稲ワラ炭素の土壌への残存性に関する論文がEco-Engineering誌に掲載されました

 Eco-Engineering誌に当所の環境影響研究部の永井研究員の論文が掲載されました。掲載概要は以下の通りです。


「水田に鋤き込まれた稲ワラに含まれる炭素の土壌への残存性と栽培される稲への移行」

 大型再処理施設から排出される放射性炭素(14C)の一部は二酸化炭素(14CO2)として大気中に存在すると考えられますが、植物は大気中の二酸化炭素の炭素を光合成によって体内に固定します。作物である稲にも固定されますが、稲ワラは水田土壌に鋤き込むことがあります。土壌中の有機物は分解速度が遅いものがあるため、鋤き込まれた稲ワラに含まれる放射性炭素の土壌への残存性を、安定同位体炭素(13C)を使用して調査しました。

 土壌に鋤き込まれた稲ワラ由来の炭素は、実験開始直後の一か月に約50%減少し、その後、実験期間を通してゆっくりと減少し続けました。この水田で栽培された稲の13C濃度を測定したところ、鋤き込んだ稲ワラに含まれる炭素のうち約0.6%がその年に栽培した稲に移行することが明らかとなりました。すなわち、稲が土壌由来の二酸化炭素を根から茎を通して吸収することを示すデータが得られました。

 本研究成果は、水田土壌における放射性炭素の動態の理解に有用な情報となることが期待されます。


掲載論文

Masaru Nagai, Hiroshi Sakata, Eiji Sakaiya, Yasuhiro Tako. Degradation rate of 13C-enriched rice straw ploughed into paddy fields and uptake of released 13C by rice plants grown in the fields.(2023)
https://doi.org/10.11450/seitaikogaku.35.3


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