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環境試料中の安定ヨウ素濃度測定に関する論文がEnvironmental Monitoring and Assessment誌に掲載

 Environmental Monitoring and Assessment誌に当所の環境影響研究部の佐藤研究員、大塚研究員の論文が掲載されました。掲載概要は以下の通りです。


「熱乾燥が海洋土及び陸地土壌試料中のヨウ素濃度へ与える影響の調査」

 六ヶ所村にある大型再処理施設から排出される放射性物質の主要なものの一つに放射性ヨウ素があります。環境研では様々な環境試料を採取し、放射性ヨウ素の測定も行っています。

 本論文では、各種環境試料(海底土、陸上土壌、松葉)中の放射性ヨウ素を分析する際に前処理時の熱乾燥が影響を与える可能性があるため、試料に元々含まれる放射性でないヨウ素(安定ヨウ素)を使って検証した結果について報告しました。海底土及び陸上土壌に関しては、110℃の熱を加えても試料中のヨウ素濃度に有意な変化が認められなかったことから、これらの試料に関してはヨウ素測定の際に熱乾燥は適切な前処理方法であることが示唆されました。一方で、松葉試料では、高温域においてヨウ素濃度が減少する傾向が確認されたことから、植物試料に関しては、ヨウ素分析における乾燥方法として凍結乾燥法がより適切であることが示唆されました。

 本研究成果は、環境試料中の放射性ヨウ素のより高精度な動態解析に資する情報となります。

図. 環境試料中における各乾燥方法後のヨウ素濃度

掲載論文

Yuhi Satoh, Yoshihito Ohtsuka. Investigation of changes in the iodine concentrations of oceanic sediment and terrestrial soil samples after thermal drying
https://doi.org/10.1007/s10661-023-11038-7


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