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2023年度

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環境研学術セミナー（トリチウム関連）を開催（9月15日）

 令和5年9月15日に、量子科学技術研究開発機構上席研究員の 鹿園 直哉（しかぞの　なおや） 氏をお招きし、環境研学術セミナーとして「DNA損傷による生物影響」と題してご講演いただきました。

 鹿園氏は長年にわたり放射線によるDNA損傷のメカニズムに関わる研究課題に取り組んでこられ、放射線は局所的に多数の電離や励起を引き起こすために数ナノメートル以内に近接したDNAの損傷（クラスター損傷）を生じさせるという性質を持っており、そのことが放射線の生物影響に大きく関係していることを実験的に示してきました。今回のご講演では、そのような研究のご紹介があった他、DNAの傷に蛍光分子を標識してナノメートル単位の蛍光分子間で生じる蛍光共鳴エネルギー移動を利用することによりDNAの傷のミクロな分布を明らかにした研究や、ナノメートル水準の解像度を持つ原子間力顕微鏡を用いたDNA損傷の直接観察など、放射線によるDNA損傷を可視化する新しい手法を用いた研究のご紹介がありました。

 トリチウムによるDNA損傷に関する研究を進めるうえで大変参考になるご講演であり、環境研職員らと活発な議論がなされました。




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