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ヒラメの脂肪酸に関する論文が国際学術誌 Aquaculture に掲載されました

 Aquaculture に当所の環境影響研究部の佐藤研究員、石川研究員、谷研究員の論文が掲載されました。論文の概要は以下の通りです。


「低温飼育によってヒラメの筋肉中のエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)が増加する」

 EPAやDHAに代表されるオメガ3脂肪酸(以下、ω-3FA)は、ヒトの循環器系や神経系に関する疾患の予防や改善に役立つ栄養成分で、特に魚類に豊富に含まれることが知られています。 先行研究では、魚類が低温環境に適応するために体内のω-3FA含有率を増加させることが報告されておりましたが、ヒラメに関しては、この増加について検証されていませんでした。

 本研究では、ヒラメを7〜23℃の範囲に調整した海水中において数か月にわたって飼育し、飼育期間中におけるヒラメの筋肉中DHAおよびEPAの含有率の変化を測定しました。その結果、10℃前後の温度帯においてω-3FAの増加が最も顕著になることが明らかとなりました。 本研究成果は、魚類の生理学的理解や水産業の発展に貢献することが期待されるものです。

図1
図. 飼育期間中におけるヒラメ筋肉中の各脂肪酸含有率の変化



掲載論文

Yuhi Satoh, Yoshio Ishikawa, Takashi Tani. Enhancement of eicosapentaenoic and docosahexaenoic acid contents in a Japanese flounder, Paralichthys olivaceus, by low-temperature rearing (2024)
https://doi.org/10.1016/j.aquaculture.2023.740510



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