生物影響研究部

大型再処理施設の操業に伴い排出される放射性物質からヒトが受ける放射線は非常に低線量率・低線量です。低線量率・低線量の放射線のヒトへの健康影響を推定するためにマウスを使用して実証的な調査研究に取り組んでいます。
 環境科学技術研究所では、低線量率放射線の生物影響をマウス寿命を指標として調べた「寿命試験」を出発点として、現在以下のような調査を進めています。

低線量放射線の子孫への影響

低線量放射線を長期連続照射したオスマウスと非照射メスマウスを交配して獲られた仔、さらに仔同士を交配して得られた孫を終生飼育して、出産匹数や性別比、寿命、死因や腫瘍発生について調べています、さらに生殖細胞の遺伝子に生じる変化と子孫への影響についても調査を行っています。

継世代

低線量放射線の発がん等に及ぼす影響

マウスの遺伝子は大部分がヒトと類似しているため、遺伝子や細胞のレベルで放射線による変化を明らかにすることにより、ヒトへの影響を推定することが可能になります。そこでマウスや実験用に開発されたマウス細胞やヒト細胞を用いて、次のような研究を行っています。
  (1)遺伝子やタンパク質に生じる変化と発がんとの関係
  (2)免疫系等生体防御機能の変化と発がん等との関係

発がん

染色体異常から被ばく線量を推定する

生物が放射線を被ばくすると細胞中の染色体に異常が発生しますが、その異常頻度は線量が低くなるほど小さくなります。より低い線量で生じた染色体異常を検出できるような技術を開発し、低線量被ばく時の被ばく線量が推定できるよう調査研究を行っています。

生物学的線量評価