環境影響研究部

大型再処理施設の操業に伴い排出される放射性物質の環境中での挙動を調べ、放射線の線量評価や中長期的な環境への影響に関する調査研究を行っています。

なお、再処理施設に関連する以下の研究は、青森県からの委託により調査研究を行っており、委託調査に関するホームページ(排出放射性物質影響調査のホームページ:排出放射性物質による環境影響に関する調査)で詳しく紹介していますので、そちらもご覧ください。

再処理工場から排出される放射性物質の動きを調べる

六ヶ所村にある大型再処理施設から操業に伴い一定量の放射性物質が環境中に排出されます。これらの放射性物質が環境中を移動したり、農水産物等を介してヒトへ到達する経路や量を知るためには、地域の気象条件や環境条件をよく理解することが重要です。環境中に排出される放射性物質の動きに関する知見を元に構築したモデルを活用し、操業開始後の放射性物質の動きと農水産物の濃度等の実データに基づいて現実的な被ばく線量を計算し、更に万一の施設の異常時も考慮した調査研究を進め、得られた周辺環境及び農林水産物の影響に関する知見を広く住民の方々に発信し、理解醸成に寄与することを目指しています。

環境影響

大気・海洋排出放射性物質影響調査

  • 排出放射能の環境影響に関する調査
  • 排出される放射性物質の移行及び蓄積実態を明らかにするため環境試料や調理済み食事(日常食)などの採取や測定を行っています。

    六ヶ所村内の沼や所内圃場等で試料を採取し、放射性物質の測定を行っています。
    六ヶ所村内と青森市において、陰膳法で採取した日常食中の放射性物質を測定しています。

    本調査の詳細はこちらへ(外部:委託調査HPへ)


  • 地域主要農水産物への移行・残留性に関する調査
  • 地域の主要農水産物である、ナガイモやヒラメ、メバルなどについて、可食部などへの放射性物質の移行や残留性について調査を行っています。

    ナガイモの実験
    ナガイモ ムカゴ
    重水を用いたヒラメのばく露実験 ヒラメ(実験のためタグを装着)

    本調査の詳細はこちらへ(外部:委託調査HPへ)


放射性物質異常放出事後対応調査

  • 放射性物質の作物地上部表面での沈着後の動きに関する調査
  • 原子力施設からの異常放出時に備え、特に六ヶ所村周辺地域で多く栽培されているナガイモを対象に、作物に沈着した後の降雨による除去(ウェザリング)や作物葉面からの吸収に関する実験から、可食部(ナガイモ部分)への移行蓄積の調査を行っています。

    本調査の詳細はこちらへ(外部:委託調査HPへ)


  • 放射性物質の移行低減化手法に関する調査
  • 原子力施設からの異常放出時に備え、地域特有の土壌を中心に、農作物中の放射性物質の可食部への移行を低減化させるための研究を行っています。

    区画圃場
    圃場内のそれぞれの区画に施肥条件を変えて牧草を育て、効率的な移行低減化を探る実験を行っています。
    ライシメータ
    圃場内の土壌を通過した水(雨水など)が採取できます。

    本調査の詳細はこちらへ(外部:委託調査HPへ)


研究発表