低線量生物影響実験棟

図02b.0
低線量生物影響実験棟は、特定の病原体を持たないマウス(SPFマウス)を飼育しながら、低線量率の放射線(ガンマ線)を長期連続照射することができる施設です。同時に照射することができるマウス数は、3つの照射室で最大1,080匹です。 先端分子生物科学研究センターと組み合わせることで、様々な条件の実験が可能となります。

■飼育方法 ■照射装置
図02b.1 図02b.2
本施設では、SPFマウスが飼育されています。
SPFとはSpecific Pathogen Freeの略で、「特定の病原体が存在しない」という意味です。検疫と定期的微生物検査により、飼育動物をSPFの状態に保っています。 SPF動物室と照射室は、空調機により常時温度23+-2度、湿度50+-10%、気圧は陽圧(+6mmAq.)になるように調節されています。照明も12時間/日になるようにタイマーで調節されています。
洗浄室と清浄作業室の境界には、高圧蒸気滅菌室、薬液水槽、パスボックスが設置されています。飼育・実験機材はこれらの機器で消毒・滅菌され清浄区域に搬入されます。
照射室1〜3には、それぞれ74GBq、3.7GBq、0.185GBqのセシウム-137密封線源を納めた、ガンマ線照射装置が設置されています。格納容器に納められた線源は、室内の駆動装置により上方に吊り上げられ、照射状態となります。
装置を中心に、ケージをのせた照射用飼育棚が円周上に置かれ、マウスはケージに入れられたまま照射されます。
照射装置は、モニター・作業員室に設置された操作盤で遠隔操作されます。照射室内の様子もここでモニターされます。照射は1日当たり22時間行われ(20 mGy、1 mGy、0.05 mGy/日)、飼育作業のため、2時間だけ線源は自動的に格納されます。人が入室中に誤って照射が開始されないように、各種の安全装置が取り付けられています。