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2019年度

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「メスマウスの老化に伴う血圧低下は低線量率放射線の長期連続照射で加速される」論文掲載

 International Journal of Radiation Biology 2019年第3号に論文掲載
　生物影響研究部　高井大策研究員

 低線量率放射線の生物学的効果に関心が高まっており、環境研では実験用マウスを対象に低線量率放射線（1日あたり20ミリグレイ）により400日間の長期連続照射で総線量8,000ミリグレイ（高線量）を照射すると、がんによる早期死亡を主な原因とする寿命短縮が起こることを過去に報告しています（Radiation　Research 160(3), 2003）。今回紹介する論文は、このような低線量率放射線長期連続照射によるマウスの、血圧などの全身作用への影響を明らかにすることを目的として行った調査結果です。

 メスマウスに先記と同じ条件で連続照射し、血圧に関連するパラメータ（収縮期血圧、拡張期血圧および平均血圧、心拍数、尾血量および血流）を照射開始後7週間ごとに測定しました。その結果、照射マウスの血圧は、非照射対照マウスよりも早く低下し、また老化マーカー遺伝子、中でも血圧の調節に関連した遺伝子の発現が非照射マウスと照射マウスとの間で有意に異なっていたことが確認されました。これらの結果は、低線量率放射線長期連続照射がマウスの老化に伴う血圧低下を加速していることを示しているものと考えられます。

マウスの血圧測定の様子
マウスの血圧測定の様子

掲載論文

Daisaku Takai, Akiko Abe, Jun-ichiro Komura. Chronic exposure to gamma irradiation at low-dose rates accelerates blood pressure decline associated with aging in female B6C3F1 mice. International Journal of Radiation Biology. 95(3), 347-353.

関連ページ

低線量率放射線照射マウスの寿命変化（外部：排出放射性物質影響調査HP）


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