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1.3 青森県産物への放射性物質移行に関する調査研究

大型再処理施設の稼働に伴い、14C、放射性ヨウ素等が環境中に排出され、また、異常放出時にはこれらに加えて放射性セシウム及び放射性ストロンチウムの放出が考えられる。そのため、果樹(リンゴ)及び海産物(ヒラメ)等の経済的に重要な青森県産物を対象に放射性核種の放出形態(大気放出、海洋放出)を考慮し、14C、放射性ヨウ素及び放射性セシウムの果樹への移行並びに放射性ストロンチウム及び放射性ヨウ素の主要海産物への移行に関する実験を行い、それぞれの移行・蓄積サブモデルを構築する。このため、以下の調査研究を行った。

1.3.1 果樹における放射性炭素移行調査

果樹(リンゴ)を対象に、14Cの大気からリンゴの果実への移行・蓄積モデルを開発するとともに、屋外栽培個体のばく露実験等によるモデル検証を行う。

平成27年度は、実験施設内でリンゴ幼木(ふじ、つがる)を安定して栽培するための予備栽培実験を実験施設内及び屋外で行い、気温及び地温の変化が幼木の生長に与える影響に関する予備的な知見を得た。また、屋外においてリンゴ樹(ふじ)の枝を対象として果実の成熟期に13CO2をばく露する予備実験を行い、ばく露直後の短期的な13Cの移行を調べた結果、成熟期に同化された13Cの多くは果実に移行・蓄積することが明らかとなった。

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1.3.1 果樹における放射性炭素移行調査(533KB)

1.3.2 海産物への放射性ストロンチウム・ヨウ素移行調査

本調査では、海産物(ヒラメ)を対象に、安定ストロンチウム及びヨウ素の海水からの直接移行過程及び食物連鎖を介した移行過程に関する実験に基づき、これらの両過程を含む放射性ストロンチウム及びヨウ素の移行・蓄積モデルを構築する。

平成27年度は、ストロンチウムの食物連鎖を介した実験に必要な餌生物を選定するため、甲殻類(バナメイエビ)、多毛類(アオイソメ)及び小型魚類(ヒメダカ)について検討を行った。乾燥重量当たりのストロンチウム標識効率と必要とされる飼育期間及びヒラメによる捕食性を検討した結果、バナメイエビとヒメダカを候補として選定した。

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1.3.2 海産物への放射性ストロンチウムの移行調査(263KB)

1.4 陸圏における放射性物質蓄積評価に関する調査研究

大型再処理施設の稼動に伴い排出される14Cの土壌への蓄積性を評価するため、平成26年度までに各種環境中(スギ林、耕地等)における放射性炭素蓄積モデルを構築した。しかし、施設周辺に広く分布するクロマツ林におけるモデルは未構築であったため、これを構築するとともに、大型再処理施設からの排出量の多い3Hについて、各種環境(クロマツ林、耕地等)の土壌への蓄積モデルを構築する。

平成27年度は、植物への3H移行モデルが未構築である牧草地について新たにモデル構築を行うため、当研究所構内に草地試験圃場を整備した。また、クロマツ林調査地を設定し、樹木の幹周囲長及び樹高を測定して現存量を求めるとともに、細根成長量の測定のため、根及び細根を取り除いた土壌を調査地に埋設した。更に、リタートラップにより葉及び枝リター供給量を求めるとともに、土壌中での降水の挙動を明らかにするための気象観測及び土壌水分量等の測定を行った。

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1.4 陸圏における放射性物質蓄積評価に関する調査研究(402KB)

1.5 人体内における放射性炭素・トリチウム代謝に関する調査研究

大型再処理施設から排出される14C及び3Hによる被ばく線量をより現実的に評価することを目的として、3大栄養素を代表するそれぞれ1〜2種類ずつの13C標識物質を被験者に投与する実験を行い、14C及び3H代謝モデルを平成26年度までに構築した。これらのモデルは、炭水化物を主成分とする米を13Cで標識し、投与した場合の代謝排泄をよく説明できたものの、脂質やタンパク質成分の多いダイズを投与した場合には不十分であった。その原因として、投与した標識物質の種類が少なく、それらだけでは脂質やタンパク質の全構成成分を代表できないためと判断された。そこで、13Cで標識した多種の脂質及びアミノ酸の投与実験を行い、精度の高い14C及び3H代謝モデルを構築する。

平成27年度は、脂質とタンパク質の構成成分として、多価不飽和脂肪酸のリノール酸及びアミノ酸のグルタミン酸をそれぞれ13Cで標識し、ボランティアに投与して、呼気への13C排泄データを得た。

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1.5 人体内における放射性炭素・トリチウム代謝に関する調査研究(643KB)

1.6 被ばく線量評価法及びα放射性核種に関する調査研究

排出放射性核種による被ばく線量の比較対照となる自然放射線に起因する青森県民の被ばく線量を評価するため、生活実態に沿った環境γ線線量率を求める手法を開発する。また、大型再処理施設周辺自然生態系の線量評価法を確立するために、水生生物が受けている線量を求める手法を開発し、自然被ばく線量を求めて、施設由来被ばく線量の対照とする。さらに、身近な環境中での天然α線放出核種の濃度を明らかにして施設から排出される想定濃度の対照とする。

各種生活環境中(家庭、職場等)の環境γ線線量率と青森県民の生活時間を組み合わせて算出した被ばく線量率と個人モニタリングによる環境γ線線量率測定結果の比較を県内各所で実施しており、平成27年度は弘前市を対象として行った。これまでに得られた結果を総合すると、前者は後者をほぼ再現できることが明らかとなった。また、カキ及びムラサキイガイの簡易ボクセルファントムを作成するとともに、それらの天然放射性核種濃度を求めた。作成した簡易ボクセルファントム及びこれまでに作成したサケとカレイの簡易ボクセルファントムを用いた被ばく線量率計算法を確立し、自然被ばく線量率を求めた。さらに、六ヶ所村内の森林土壌中の天然α線放出核種の鉛直分布及び存在形態を明らかにするとともに、尾駮沼湖水中、大気降下物中及びエアロゾル中の天然α線放出核種濃度を求めた。

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1.6 被ばく線量評価法及びα放射性核種に関する調査研究(280KB)

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