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2020年度
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放射性炭素の内部被ばく線量の評価に関する論文が掲載
Scientific Reportsに当所の環境影響研究部 増田研究員の論文が掲載されました。掲載概要は以下の通りです。
「炭素13標識化合物投与実験による放射性炭素の内部被ばくによる線量換算係数の推定」
大型再処理施設から排出される放射性炭素に起因する周辺住民の被ばく線量のかなりの部分が、食物中に入った放射性炭素を体内に取り込むことによるものと考えられており、体内からの被ばく(内部被ばく)となります。このような内部被ばくによる被ばく線量を評価する場合、国際放射線防護委員会(ICRP)から出されている“線量換算係数”が使われています。しかし、この係数は簡単なモデルを想定しての推測値であり、実験データに基づいたものではありませんでした。
そこで、線量換算係数を実験的に検証するため、安定同位体である炭素13で標識した栄養素(アミノ酸4種、脂肪酸3種、糖類1種)を被験者に投与し、様々な排泄物中の炭素13濃度を測定し、体内にどの程度残留するのか実験を行いました。さらにその実験結果を元に、日本人の平均的な摂取栄養に均一に炭素14が含まれている場合の線量換算係数を計算で求めたところ、ICRPの線量換算係数と概ね一致していることが分かりました。
私たちの実験で得られた知見は、ICRPの線量換算係数の信頼性を検証し支持するものとなりましたが、一部の栄養素では投与した炭素13のうち、無視できない量が回収されなかったこともあり、引き続き研究を進めていく必要があるものと考えています。
掲載論文
Tsuyoshi Masuda, Toshitada Yoshioka, Tomoyuki Takahashi, Hiroshi Takeda, Hideo Hatta, Kensaku Matsushita, Yasuhiro Tako, Yuichi Takaku, Shun’ichi Hisamatsu. Estimation of dietary 14C dose coefficient using 13C-labelled compound administration analysis.
Scientific Reports (2020) DOI: 10.1038/s41598-020-64954-w
関連ページ
内部被ばく線量の評価に用いられる預託線量とは(アトミックサイエンスノート)
放射性炭素 (外部:排出放射性物質影響調査HP)
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令和元年度成果報告会資料「食べ物から被ばくする!?〜体内に入った放射性炭素からの放射線〜」 (外部:排出放射性物質影響調査HP)