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尾駮沼のヨウ素に関する論文が掲載
Science of the Total Environmentに当所の環境影響研究部 佐藤研究員、今井研究員の論文が掲載されました。本論文は2019年12月25日付で当ホームページのニュースとして掲載したものの続報となります。掲載概要は以下の通りです。
「日本北東部汽水湖の堆積物からのヨウ素溶出のフラックスと経路」
六ヶ所村の主要な湖の一つである汽水湖の尾駮沼において、湖底堆積物からのヨウ素の溶出やフラックス(移動速度)に関する調査を行っています。前回、その主な制御要因(水温や時間、酸素条件等)を明らかにするために溶出試験を行い、特に水温に大きく影響を受けていることを報告しました。
今回、さらに、季節の違いから生じるプランクトンによる有機物の供給とその分解量の変化がヨウ素の溶出フラックスに与える影響について調査を行いました。その結果、尾駮沼内部の一次生産(植物プランクトンによる光合成)による堆積物への有機物供給量が多い時期には、堆積物中有機物の分解による水中へのヨウ素の溶出フラックスも大きく、これに対して、一次生産が少ない時期には、ヨウ素の溶出が主に堆積物の間隙水の拡散のみによって起こることが明らかになりました。
この結果は、汽水湖の堆積物環境におけるヨウ素の動きの仕組みを理解する上で重要であり、六ヶ所村の再処理施設からの排出が予定されている放射性ヨウ素(ヨウ素129)の環境中における動態を把握するための基礎情報となります。
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掲載論文
Yuhi Satoh, Shoko Imai. Flux and pathway of iodine dissolution from brackish lake sediment in the northeast of Japan. (2021)
DOI: 10.1016/ j.scitotenv.2021.147942
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