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2024年度
海水のヨウ素の測定に関する論文が国際学術誌 Analytical Sciences に掲載されました
Analytical Sciences に当所の環境影響研究部の佐藤研究員、大塚研究員の論文が掲載されました。論文の概要は以下の通りです。
「海水中の溶存態ヨウ素測定に関する誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)とボルタンメトリー法の比較」
誘導結合プラズマ質量分析法(Inductively coupled plasma-mass spectrometry: ICP-MS)は様々な元素を測定できる分析手法であり、当研究所にとって放射性核種の環境動態を調査する上で欠かせないツールです。一方、ヨウ素は人間にとっての必須栄養素であると同時に、自然界には放射性核種を含めた様々なヨウ素の同位体があり(関連ページ)、環境動態を把握すべき物質の一つです。安定ヨウ素(放射性でないヨウ素)に関しては、海水試料中の濃度測定にはボルタンメトリー法に代表される電量分析(水試料に電気を流した際の応答の違いから溶けている物質の性質や濃度を調べる手法)がより一般的に使用されてきました。
本研究では、ICP-MSの海水中ヨウ素測定に対する有効性を確認するために、同じ海水試料についてのICP-MSとボルタンメトリー法の各測定結果を比較しました。その結果、両手法の測定値は同等であり、同位体比も含めて測定できるICP-MSが海水中のヨウ素測定に対して有用な手法であることが証明されました。
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高分解能型ICP-MS装置 | ボルタンメトリー装置 |
掲載論文
Yuhi Satoh, Yoshihito Ohtsuka. Comparison of dissolved iodine measurements in seawater between inductively coupled plasma mass spectrometry and voltammetry (2024)
https://doi.org/10.1007/s44211-024-00602-x
関連ページ
ヨウ素 (外部:排出放射性物質影響調査HP)